乙女ゲーやシチュCDの感想諸々
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お嬢様成長物語
・システム
基本は既存のオトメイト作品と変わらず
必要なものは全て揃っている感じですね
ジャンプ機能は有りませんが、個人的には有ってもあまり使わないので問題は無いのと、バリケードボードの仕様上有った所であまり意味は無い気もします
バリケードボードシステムはユーザーが次に読むシナリオを任意で選ぶものですが、条件を満たさない限り先には進めないので自由度はあまり高くありません
シナリオの展開上矛盾が出ない程度の自由は有りますが、基本は通常のノベルゲーと同じ様に読み進めることになります
このボードシステムには二つ不満点が有って、ひとつはカーソルの移動が水平・垂直にしか出来ない事
選択中のマスの斜めの位置に移動したい場合はそのマスから見て水平・垂直の位置にあるマスに一度移動しなければなりません。地味に面倒。斜めでもスッと移動してほしかった
ふたつ目は周回プレイ中もマスが変わる毎に操作が要求される事
次の選択肢までスキップで放置、というお手軽プレイが出来ず、マスが終わる度に移動の為の操作が必要になります。大した手間では有りませんが、それでも少々億劫だったのは事実
バリケードボードのシステム自体は好きですが、この辺がもう少し気を遣ってもらっていると嬉しかった
WHISはLINEの様なツールで、シナリオの展開に応じてキャラと連絡が取れます。攻略キャラとのやり取りには選択肢も有るし、友人キャラとのやり取りも楽しい。良いシステムでした
RABIでは主人公がいない間の家の様子を見る事が出来るので、攻略対象達のちょっと意外なやり取りも見る事が出来こちらも楽しかったです
・シナリオ
恋愛するか否か、というよりは自分と言う個人を制し「東条家の次期当主」である事だけを優先するか否かを選択していくストーリーです
当主である事だけを優先し続ければバッドに、恋愛に寄りつつもちょっと覚悟が足りないとアナザーに、恋愛に寄りつつ覚悟もきちんと決められたらグッドエンドに行きます
その過程で攻略対象の問題だけでなく、ヒバリ自身の問題も乗り越えて成長していく事になります。むしろ感覚的には後者がメインです
ちゃんと乙女ゲーだし恋愛もするけれど、その中でヒバリがどう変わっていくかを見守るお話でした
攻略対象の言動には問題が多い為、ヒバリがツンとした態度でいてもあまり同情の湧かない良いバランスでした。序盤は特に
根っからの悪人はいませんがあの4人と共に暮らすのはあまりにもストレスフル……でもそんな環境だからこそヒバリの成長に繋がるというのも後々分かってくるので、そこも含めて良いバランスでした
春日は攻略対象ではありませんが、それはトゥルーを見れば設定的に納得が出来ると思います。そして彼個人の性格を考えると、攻略対象化は遠慮したいですねぇ……詳細は後述で
以下ネタバレ
上記の通りヒバリお嬢様成長ストーリーです
東条の次期当主である、という事に自分を縛り続けてきたヒバリをガツンとぶん殴って外に引っ張り出す。そんなお話でした
東条の当主になる自分はこうしなければならない、こうならなければならないとずっと自分に言い続けて育ってきたヒバリは頑固で視野が狭いです
これに関しては春日の策略も有りましたが、ヒバリ自身がそこに気付いていないのが何よりもの問題だったでしょうし、おじい様がどうにかしないとと考えるのも納得でした
特に汐音とのやり取りが分かりやすかったですね
ヘアケア用品は行きつけのサロンで勧められたものを使っている。でも髪質にも香りの好みにも合わせたもっといいものが有るよ、買いに行こうと誘った汐音をヒバリはちょっと躊躇いつつも、でもしっかりと拒否します
理由は「今のところで十分だから。それに汐音の勧めるものは高価だしそんな贅沢はしない」
当然汐音から今使ってるものも十分高価だよ?と突っ込まれますがヒバリは踏みとどまる
「今使ってるヘアケア用品は東条の当主として必要な気配りのひとつであり、汐音の勧めは個人的な贅沢の範疇になるから駄目」という、個としての欲求を表に出す事を極端に嫌うヒバリの性格がよく出ていました
気を抜く、ストレスを和らげる、自分を甘えさせるという事をしてはならないと言い続けてきたヒバリの頑なさを考えれば、おじい様が策を講じなければ本当にそのまま適当な相手と結婚して、私人としての幸せが何も無い人生を送っていたんでしょうね
そのヒバリに対して対称的な友人二人の存在はシナリオ的にもとても大きかったと思います
同じ様な次期当主と言う立場で、許嫁も既に決まっているけれど自分のやりたい事をしっかり表に出す紬と、好きに遊びながらも将来の夢をしっかり持ってその為に動いている乃愛
ヒバリは東条家当主となる、という事は考えていてもその先のビジョンは無い。でも二人は自分の将来の事を考えて動いていて、要はヒバリよりずっと視野が広い
そんな二人のやり取りの中でヒバリが自分の価値観を考え直す流れが自然でした
恋愛面でのやり取りも可愛くて好き。女子会シーンもっと欲しかった
許嫁に対して恋愛感情は無いけどパートナーとして信頼はしている紬と取り敢えず付き合ってみてから考えれば良いとフットワークの軽い乃愛。どっちが正しいとかそう言う話ではなく、人それぞれの恋愛に対してのスタンスをヒバリがちゃんと認識したのは人生で初めての事だっただろうし、そこも視野を広げるきっかけになっていましたね
個別に入るといつまでもグズグズ考え続けるヒバリ……立場と言う障害も当然有りますが、どうにも煮え切らない態度の彼女への二人のリアクションも面白かった。乃愛の心底面倒くさそうな反応好き
攻略対象ですが、正直壱哉と那由太は萌えはほぼ無かった
壱哉に関しては完全に私の好みの問題で、シナリオ的には面白かったです
ただどうにも序盤の「俺の考える理想の女の子像=理想のヒバリ像」をそのまま押し付けるスタイルが、あのただでさえ大変な集団生活の中で見ていてしんどかった
それに関してはヒバリがブチ切れてくれたし、彼の過去を思えば理解出来なくもない部分では有りますが
彼が兄に対してビビりまくるのも理解は出来る。頑張って戦えよ!と思わなくもないけど、でも26歳という年齢を考えると……その年まで誰も彼に発破をかけてくれなかった以上、仕方ないと思ってしまう。もちろん、そこに触れさせないようにし続けた壱哉の問題であって、斬り込んであげなかった女性たちが悪い訳ではないけれど
拗れた家族関係でしたが結果的に喧嘩両成敗と言うか、どっちも悪い!という落としどころなのは良かった。仮にも婚約するのに壱哉は悪くない!家族が全部悪い!となったらリアクションに困る所だった
壱哉・ヒバリの成長の過程が分かりやすく話としては素直に面白かったです。ただ萌えに関しては、壱哉より彼の兄に全てを持って行かれてしまった。仕方ない
那由太はあの性格に若干の恐怖を覚え、正直話があまり頭に入ってこなかった
道中何度もマジかよ……と呟きたくなっていた。叔父さんも大変だね……
ただ肉食系ヒバリ様は好き
汐音と大我は萌え・シナリオ共に良かったです
汐音はヒバリの頑なさ、視野の狭さに気付いてそこから彼女を出してあげようとしてくれる。そのやり方も強引さが薄いのでヒバリが流されるのもある意味納得だった
ヒバリが自分の価値観に縛られ過ぎた失言をした時の彼の対応も良かった。ヒバリにただ失望するのではなく、ヒバリの望んだ態度を取ってそれを彼女に突きつける。急にSに目覚めていたのには笑いましたが、彼に出来る荒療治としては最高に効力の有るものだったと思うので、そこにヒバリへの情がしっかりと感じられて好き
エピローグでの拗ね汐音が大層に可愛らしくて満足です。本編では基本終始余裕を持ち、自分の計画を維持していた彼なので余計に
大我がおじい様サイドの監視役だったのには普通に驚いてしまった。確かに他の3人と違ってヒバリへのアピールが無かったけれど、あれは好きな子ほど苛めちゃうというダメすぎる小学生男子みたいなものだと思っていた……申し訳ない
ただその空気が読めて安全牌の頼れるお兄ちゃんにガンガンに甘えるヒバリが可愛らしかった。そしてその結果、大我が追いつめられてしまうのにも納得だった
何でもできる凄い存在だと一心に信頼を向けられて、それにビビってしまう大我のメンタルはとてもリアルで分かりやすかった。彼自身が過去に一度壁にぶち当たっているなら尚更
そしてヒバリのその信頼と期待が彼女の視野の狭さ故の物だと理解してしまうのはもっと大きな恐怖だと思うので、逃げた彼を責める気にもなれない
その後のやけっぱちの賭けからの喧嘩には笑った。お嬢様、お強くなって……
このルートはエンド後、おじい様との関係が早期修復できそうなのも好き
で、問題の春日です
彼が攻略出来ないと知った時は残念だなぁ~とか思いましたが、トゥルーを見た今となっては断固拒否したい
まず彼はヒバリの実の兄です。この時点で設定的に攻略が無理な事にはまず納得しました
5歳の時に両親が亡くなりおじい様に引き取られた…というのは嘘で、両親は健在。ただ兄であるツバメの実妹への異常な執着を危惧し、引き離す為に駆け落ち後も連絡を取っていた祖母経由でヒバリを預けた。これで安心、と思ったらツバメは地盤を固めて11歳で親と祖父を黙らせ執事として妹の傍に舞い戻った。それが春日
以降春日はヒバリが次期東条家当主、果ては女帝として君臨する日を夢見て彼女を教育し続けた。保護者であるおじい様との仲を分断し、更に関係を悪化させ、他の東条家の人間からも切り離したまま自分だけを信じる様にし、ヒバリが一番に、そして唯一頼れる存在になった
中学時代に紬が友人になったと聞けば全力で牽制し(ただ紬はそれに負けなかった)、乃愛の事を聞けばそっちにも口を出す。春日だけを頼るヒバリを維持しようとし続けていた
という話を聞いての感想は「こっわ……」だった
ヒバリが私人としての自分を制するようになった最大の要因は実の兄である春日です。彼の策が有ったからこそ、家族であるおじい様との関わりもほぼ潰えかけていた訳だし
恋愛感情は無い上でのこの執着、シスコンとか言うレベルではない。幼少期からヒバリを緩やかに縛り続けてきたその精神性、正直恐怖でしかない
これで後々「春日攻略対象化です!」とか言われてもリアクションに困る
これだけ執着し、ヒバリの精神的成長を阻み視野を狭くさせた相手にヒバリが恋愛的好意を向けたら本気で心配してしまう
後は単純に、執事としての春日と違って兄としてのツバメがあまり萌えの琴線に触れなかったというのも有りますが
トゥルーでの攻略対象達の一致団結感は見ていて楽しかったですね。カズがそこに加わっていたのも相まって良かったです
共通でのドタバタ感も好きでしたし、あの家でみんながワイワイやっている姿をもう少し見ていたかった
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プロフィール
HN:
木下あんこ
性別:
女性
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