士業エドテンセイ.com 隠れ蓑 神足町人妖譚 迷イ子ノ章 感想 忍者ブログ
乙女ゲーやシチュCDの感想諸々
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あさき本編をプレイしたのが大分前なので色々忘れていたけれど、特に問題無くプレイ出来てホッとした本作
あさきそのものをプレイしていなくても問題は無いし、三部作らしいけどこれだけで完結しているのでそれも含めて良かった

攻略対象はメイン二人におまけの女子一人に真相担当一人の計四人
シナリオは全体的に短めだけど話としてちゃんと纏まっているし、メイン二人はエンディングも豊富だし、そもそもロープライス作品なので十分なバランスかと
メイン二人クリア後に、メイン二人のハッピーEDと真相担当ルートが開放になる仕様。内容的に後から解放されたEDが正史扱いなのかなぁ
正直もっとシリアスでエグいシナリオになるかと思っていたけど、そこまでじゃなかった。バッドの描写がアッサリ目なのは少し残念
所謂闇堕ちや心中バッドですが、そこに至るまでの精神面の描写が薄いので唐突感がどうしても拭えない。もう少し積み重ねが欲しかったかなぁ
システムはあさきや蒼天の頃とあまり変わらず。システムボイスや謎のミニゲームも健在。このミニゲーム、ちょっとした暇つぶしにはうってつけですよね…


以下ネタバレ



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見事に翠にすっ転んだ
主人公千世の従者、という立場ですが、ただ従うだけの従者ではなく、必要であれば自分の意見も言うし、精神的な距離が縮まれば軽口も叩き、恋愛的な関係になれば攻めの姿勢を見せる。その上で従者である事は絶対に忘れない、と言う態度が最高過ぎた
結ばれてからのグイグイ来る姿勢の理由は「現代の恋愛的価値観を知らない」+「耀や向島が傍にいて余裕が無く焦っているから」と言うのも可愛らしい
千世とすったもんだしつつ適度なペースでやり直すシーンはホッコリ出来た

彼は千世の方相氏(鬼)と言う立場だけれど、まずその方相氏の成り立ちに驚いた
千世の家を含めた四惟の血の者に穢れを背負わせたうえで殺し異界に送り、後世の当代候補がその異界から見つけ出す事で正式に方相氏(鬼)となる……つまりは人身御供と言う事らしく、サラッと出てきたその重い設定にちょっと慄いた
本来その方相氏は黒髪金眼であるため、白髪緑眼の翠の存在は一悶着起こしたらしいけど、鬼の存在に詳しい四惟の家のひとつがその外見を肯定したのも有って、今はしっかり時期当代の千世の方相氏として関係ある他家にも認めさせている形らしい。物語開始以前からなかなかにドラマティックな展開だ
その後ルート終盤の翠の過去語りによって、彼は四惟の血の者などではなく、鬼と人のハーフであり、生まれた時に母親は死に、その後盗賊に育てられ盗みや殺しを日常とし、最終的に祟りの原因として当時の四惟の人間に殺された存在であり、本来千世が出会うはずだった方相氏とは違う、と言う事が分かる
それを聞いた上で自分の方相氏は貴方だけだと言い切る千世も良いし、その千世の言葉に翠がどれだけ救われたかを思うと天を仰ぐしかない
ただそんな萌えのクライマックス状態の中、ひとつ気になる事が有って
つまり本来千世の方相氏になる予定だった四惟の血の者はどうなったのか?あの異界の中で未だに千世を待ってるのか?と言う事です
ここがとにかく引っかかったんですが、千世や翠は特に気にする事も無く最初のEDに辿り着いた
あれー?と思いつつも、まぁきっと真相ルートで何か説明が有るっしょ。と考え攻略を進めたけれど、コンプしてもその説明は一切無くて大層混乱した
ツイッターでフォロワーさんに助けを求めた所、「翠の母親は大枝家(四惟のひとつ)の姫であり、鬼と叶わぬ恋をした結果身ごもり子を守るために家から逃げ、運悪く治安の悪い所に行き死んでしまった」「大枝家はその事を把握していて、翠の正体も大体察していた為彼の方相氏らしからぬ外見を問題としなかった」ということらしいと教えて頂いた
つまり翠は正真正銘四惟の血の者であり、元々千世の方相氏として相応しい立場の存在だった、と言う事らしい
この情報は限定版の冊子に載っていると重ねて教えて頂き、これには割とガックリきた。本編プレイ中で引っかかった事の説明が本編外の媒介に載っているとは……限定版買っておけよと言われてしまえばそれまでなんだけど、これに関してはせめて本編オマケSSとかで教えて欲しかった……
そしてこの事実を翠も千世も知らないまま話が終っているのが納得いかない
千世も翠も「翠が本来の方相氏とは違う立場である」事をしっかり受け入れて、その上で周囲に認めさせているけれど、そうだとしてもどこか心に引っかかってしまう部分だと思うので、せめて翠本人には教えてあげてくれ…と思わずにいられない
その後千世に言うかどうかは彼の選択としても、本人は知っても良い筈だ…歯ぎしりしそう
お話としては綺麗に纏まっていたと思うけど、この点に関してはどうしても不満が残る


真相担当の向島さんはまずルートが開いてからのキャラの変わり方に驚いた
ちょっと天然気味の可愛いお兄さんになってまぁ……ただそのキャラの変化具合も正体を知って納得できたけれど
私はずっと彼を「本来千世の方相氏になるはずだった四惟の血の者」だと信じて疑ってなかった。だって黒髪金眼だし、千世に関心抱いてたし。でも実際は全くそんな事は無く、彼は天人と言う存在だった
これに関しては当人が長々しく説明してくれたけど、要は人間界とは違う世界の生き物で、寿命が尽きて地獄に落ちる途中の所を色々有って神足町に不時着した格好らしい。なので一般的な常識には乏しいし、言動も浮世離れしている
彼のED後の追加SSはちょっと賛否が分かれるところかなぁ。生きて再会したからハッピー!と言えばそれまでだけど、積み重ねた切なさそのままに終るのも美しかった気がする。あと千世が立場的に色々大変そう


ロープライスながらも十分に楽しめたので、第二作以降の情報を真面目に追おうと思います
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